2020.07.16
フランスには「ART DE VIVRE(アールドヴィーヴル)」という言葉があり、
直訳すると「暮らしの芸術(アート)」という意味を持ちますが、
そこには
「自分らしく美しく生きる」
「美しく幸せに生きること」
の生活の美学があります。
これは、私が初めてフランス文化の中で生活をはじめたとき、
一番に感銘を受けたことでした。

そして、このフランスの生活美学は
じつはエコにつながっていたのだと今、改めて感じています。
フランス人は「個人主義」というイメージを持たれますが、
その大きな理由は一番に「自分らしくいる」ことを大切にしているからです。
自分の考えや意見をきちんと持ち、本当に自分が大切な人やもの、
心地よい時間や空間を重要視します。
日本人の良いところは周りに配慮することや、謙遜することですが
周りを気にすることで自分が本当に大切なことをつい忘れがち。
謙遜することは日本の美学でもありますが、
フランスでは「衣」・「食」・「住」全てにおいて
「他人軸」ではなく「自分軸」で生きています。
それは生きる上でとても大切なことに感じるのです。
他人と比べることをせず「自分軸」で生きる。
そんなフランス人の「アールドヴィーヴル」な生き方は
私の人生を大きく変えました。
衣食住を美しく幸せに生きるエコシックな暮らしとは?
■ファッション
今、ファッション業界でも服の大量廃棄が問題になっています。
フランスといえばファッションの最先端であり、
オシャレのイメージがありますが、
生活している人たちの装いはとてもシンプルです。
また、フランス人はあまり服を持たない印象がありますが、
実際に日本人に比べて持っている服が少ないのは確かです。
ではなぜ少ないのか、それはいくつかのポイントがあります。
・自分が本当に似合う服を知っていること
・着ていて心地よい服を知っていること
・長く着れる素材を選ぶこと
それとは反対に、服の数が多くなってしまう大きな原因は
”実際着てみたら、あまり似合わなかった”
”買ったものの、着心地があまり良くなかった”
”昨日と同じ服では会社や学校に行けない”
というのが挙げられます。
しかし、フランス人のものを選ぶ基準は、
結果的に”無駄に資源を使わない”さらには
”無駄にお金を使わない”ため、大好きなバカンスに
お金を使うことができるというのが
フランス人のスタンダードな生き方です。
■美味しく愉しむ食文化
フランスといえば美食の国!
高級なフランス料理のイメージがありますが、
中世の時代、かつて王政制度だったフランスでは
今のようなコース料理は宮廷内で楽しまれていたものでした。
しかし18世紀末のフランス革命によって、
それまで宮廷に勤めていた料理人たちが失業し、
街中でフレンチレストランを開くようになり、市民の間に
フランス料理が広まって多くの人が楽しめるようになりました。
今では家庭でも、決して豪華な料理ではなく、素材そのものを生かした
サラダなどの前菜・スープ・メイン・パン・デザートが一般的です。
日本でもご飯・味噌汁・漬物・果物などと同じ。
ただし大きく違うのはその食材です。
フランス人は食文化を大切にしますが、最も大切にしているのは素材。
そのため農薬を使わないオーガニックの食材がスーパーなどに並び、
週に1,2日開催されるマルシェも多くあって
新鮮な食材が必要な分だけ買うことができます。

フランスではすでに2016年7月からレジ袋を廃止しているので
今ではエコバッグを持参するのは当たり前になっています。
農薬を使わないことや、必要な分だけ食材を買えること、
レジ袋を廃止し、買い物袋は持参する生活は環境にも優しく、
暮らしも経済的です。
素材が良いとシンプルな調理法でも、美味しい!
そして「美味しい!」は人を笑顔にします。
安心な食材に美味しい料理、大切な家族や友人との食空間。
フランス人にとって食事の場は人が生きる上でとても大切な時間なのです。
■暮らしこそ景観を大切にする
ファッションだけではなく日用品も使い捨ての概念がありません。
例えば食器を洗うときも繰り返し使えるディッシュブラシを使ったり、
環境に配慮した日用品はフランスではとても多く、
厳しい基準をクリアしなければ認証されないエコサート商品もたくさんあります。
地球に優しく、実用的だけではなくフランスの日用品はとてもオシャレ!

フランス生まれのアンドレ・ジャルダン【伝統を受け継ぐ ディッシュブラシ】
フランス生まれのアンドレ・ジャルダン【伝統を受け継ぐ ソースパンブラシ】
リサイクルで作られた 地球にやさしい家庭用スポンジ(3個入り)
地球にも優しく暮らすことは、私たちの日常をとても心地よいものにしてくれます。
フランスの生活の美学「ART DE VIVRE(アールドヴィーヴル)」は
日々の生活にこそあり、自分と一緒に暮らす家族が心地よいこと、
さらには環境にも優しいことが根底にあるのです。
他の誰のものでもない、自分だけの人生。
自分らしく、美しく、幸せな生き方をしてみませんか。